SQL Server仮想化

IT, 医療情報

先週の大きな作業としては、夜間作業でのSQLServerの仮想化作業。リコージャパンさんとの共同作業で VMWare vSphere の仮想環境への移行を行っています。思った以上にスムーズに完了。

今回の対象は、起業してすぐの頃に医療機関と協同で立ち上げた病院基幹システムのデータと連携して動く病院統計用のサーバです。病院統計だけでなく業務支援ツールも動かしていて、入院案内、外来待ち順番表示、事務や医師の当直日誌、麻酔偶発症入力等々、長いあいだ院内の業務を支えております。

このサーバーを構築する以前の話ですが、こちらの病院様ではエンドユーザーコンピューティングというユーザーがシステムをカスタマイズできる仕組みを望まれていました。基幹システムの導入時からカスタマイズする仕組みを持たせてはいたものの思った以上にプログラムスキルが必要で、なかなか思うようにカスタマイズできない状況でした。私はAccessでも同じようなことはできるのではないかと思い、裏側はOracleという本格的なデータベースを使いながらAccessで画面を作成するという試みを提案しました。そのときに新たに構築する部分のデータ格納する仕組みとしてはSQL Serverを導入したのでした。

わざわざデータを入力するための作業は現場には受け入れられないので、一連の業務の流れでデータを集める仕組みとして退院時総括を利用しました。退院時総括にデータをパラメータとして入力することで自然にデータが集まる仕組みです。医師にとっても手書きよりも便利になり、病院としても病院統計として公開していきたいデータを集められるという一石二鳥の仕組みでした。当時は電子カルテではなかったので、印刷した紙を原本とした運用でしたが、医師の方々には使いやすいシステムだと受け入れていただきました。

しかし、オーダリングシステム、看護システムとは別のシステムであること、速度が劣ることなどから統合した電子カルテシステムに移行することになり、基幹システムとしての役割は終えました。ただ業務支援ツールとしての役目は次のシステムとしても継続し、移行期間においても過去のカルテや退院サマリ、看護サマリを新システム上で参照することを可能にしたのは弊社自身が作成していたから成し得たことでもあります。同じシステムが異なるプラットフォームで動くようにするためにかなり苦労はしましたが・・・ 移行後も前のシステムは非常に使いやすかったとの声をいただきました。表示遅かったのが致命的でしたね。

そういう思い入れのあるシステムですから仮想化で延命するとはいえ、サーバーの筐体に電源が入ってないのを見ると淋しいものです。一方で、新しい仮想サーバー上で動き出し始め、今後も業務を支えていく力になると考えれば嬉しくもあります。いろいろなことを思い出した、なんだか切ない夜でした。

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